第11回 古布縮緬をまとう創作人形

『お正月 女の子と男の子』駒を回して遊ぶおでんばお姉ちゃんと、やんちゃな弟。あら、駒と羽子板が逆さま? 接着していないので、持ち替えることもできます。
『うさぎのダンス』今日の収穫はでっかいぞ! 肩にかついで、陽気に小躍りして帰りましょ。葉っぱを自由に曲げて持たせます。

肩の力を抜いて、
人形が見せるふわっととぼけた表情や仕草を
見ている方に面白がってもらえたら…
そんな思いを込めて作っています。

出来上がりを考えて、イラストに描き起こしてから始めますが
心の中に浮かぶイメージを指先に伝えるうち
表情やポーズ、衣装などが変わっていくこともしばしば。
衣装には絹、麻、綿など天然素材が多く、
私の人形には、そういったものが馴染むようです。

人形のボディは粘土で肉付けし、紅茶などで染めた古布縮緬を貼り付け、肌の風合いを出します。
髪の毛はスガ糸(絹)を少量ずつ生え際部分に貼り付け
顔描きは 息を止め、
アクリル絵の具で 眼、口を着彩、頬紅を差すと・・・
人形たちに命が吹き込まれ、イキイキ!
嬉しい瞬間です。           福島育代

『あうん』口を開けた阿形と閉じた吽形のペア
『福びな』 高さ8センチ程の小さな童のお雛様
『干支の狛犬』戌年の今年ににうってつけの縁起物
『福うさぎ』白い体に赤いマフラーがおしゃれ
『うさびな』人の姿をしたうさぎ、うさぎになった人? ぽっちゃりしたお尻が幸せを呼んでくれそうなモダン雛
『うさこびと』満月を見上げて何思う… ほろ酔いうさぎのユーモラスな表情に注目
『まゆんぼ』いろり端でお昼寝、それとも縁側でひなたばっこ中? 髪型、顔がみんな異なり、赤ちゃんといえども一人ひとりの性格がよく伝わってくる人形です
プロフィール 福島育代 
創作人形作家。くら田たまえ氏に師事。子どもや動物・昆虫を擬人化した作品は、おすましで可愛いだけでなく不思議でどこかユーモラス。初節句のお孫さんの顔に似せた人形などのオーダーも手がける。